産地について
産地:販売元には記載がありませんが、調べてみるとスマトラ島北部のリントンニフタ、パランギナン、アチェ地区のものの様です。ただし、リントンニフタ、パランギナンは比較的近いですが、アチェは遠いです。
リントンニフタ・パランギナンはトバ湖に近いですが、販売元がトバ湖について言及しているため、この辺りで収穫されたものと推察されます。
この辺りのコーヒー産地の標高は1200m~1400m程度のところが多い様です。南米の産地に比べると、若干低めの標高に思われます。
なお、ハラパンとはインドネシア語で「希望」だそうです。
コーヒー豆は普通、地名がついて売られる事が多いですが、敢えて「希望」と名付けて売っているので、どうでしょうかね。
出来に自信がある場合程、農園単位の名前にしたがったりとより狭い範囲に限定したがるため、若干の不安があります。
この辺は私の独断と偏見が多分に入っていると思いますのですみません。
結局は名前なんかどうでも良く、美味しければ正義ですからね。
コーヒー豆について
スクリーンサイズはS18という事で、網目でいうと7mm~7.15mm位の大きさのふるいにかけても下に落ちない大きさ、という事だと思います。コーヒー豆としては、大きめのサイズに属するものと思います。ただ、マンデリンは大体大きい品種が多いですね。
品種については記載がないのでよく分かりません。インドネシアはスマトラ島という狭い範囲でも色々な品種がある様で、特定は難しそうです。
精製方法についてはスマトラ式ですが、通常のスマトラ式とは精製方法が異なります。スマトラ式は、農家の方でパーチメントの脱穀までやって短時間で乾燥させて保存、という方法が一般的と思いますが、この豆はパーチメントの状態で農家から輸出業者に引き渡され、輸出業者が脱穀して乾燥、選別などを行ってます。


普通のマンデリンのスマトラ式と比較すると、欠点豆が出にくい精製でしょうか。そのためか、見た目が一般的なマンデリンに比べると豆の潰れが少なく、虫食い、カビ豆も少ない印象を受けます。ただやっぱりスマトラ式のため、他国の豆と比較すると綺麗な見た目はしていません。G1を名乗っていますが、欠点豆もそれなりに出ます。ただ、マンデリンは基本的に見た目が悪いため、リスク回避のために多く取り除いている面もあります。


また、普通のマンデリンの生豆状態で漂う香りと比較すると、ややおとなしい印象を受けます。ハンドピックしているだけでも分かる、襲いかかって来るような青臭さと酸味臭が、この豆からはあまり感じられません。単にニュークロップでないだけか?
という事でマンデリンではありますが、通常のマンデリンが得意なフルシティ辺りは、この豆に関してはあまり得意では無さそうな印象を持ちました。ハイ~シティまでが主戦場かな?
ただ、決めつけは禁物ですね。
なお、この豆の説明書きをみると、マンデリン リントン ミトラG1というものの説明書きとよく似ている事に気が付きました。ミトラは「相棒・パートナー」を指すようです。同じ地域の豆を別名で呼んでいるのでしょうか。
焙煎&テイスティング
2024/12/15サンプル焙煎①

焙煎:
②と比較のため、ハイローストとした。
テイスティング:
1回目:マンデリン系の暗めの酸味が全ての味に勝っているため、苦み、甘み、コクなどを十分に感じられない。ただ、酸味好きには受けるか?
2回目:抽出効率を高めると、マンデリン系の暗めの酸味は強いが、苦み・コクも出てきたため、ある程度バランスが取れてきた。
2024/12/15サンプル焙煎②
焙煎:
①と比較のため、フルシティとした。
テイスティング:
1回目:苦み・酸味・甘み・コクでどれか一つが突出しているわけでは無く、非常にバランスが良い。万人受けはこちらか。
2回目:抽出効率を高めて試すと、コクと甘みがかなり出る。マンデリン系の苦みはよりマンデリンの風味が強まる。酸味はかすか。

①②をためしたところでは、マンデリンにしてはやはり性格が穏やか、というところでしょうか。よくあるマンデリンは、フルシティまで引っ張ると苦みとコクが前面に出てきた様に記憶していますが、こちらのマンデリンは突出することは無く全体としてバランスがよいものになっている気がします。
この辺り、マンデリン好きにはズシンと来るパンチが無く物足りないという評価と、バランスの良いコーヒーを求める人には高評価と、評価が分かれそうな気がします。
→抽出効率を上げれば、マンデリン系の苦みとコクはかなり出ました。これであればマンデリン好きも納得するのでは、と思います。1回目は①②共にアメリカンもびっくりのあっさり過ぎました。
2024/12/22焙煎

焙煎:
フルシティまで焼いた。ただし、火力調整を誤り温度上昇を急激にしすぎてしまったため、フルシティの割に豆が開いていない。渋みが出ないといいが…。
テイスティング:
渋みは過抽出になるとわずかに出るが、気を付けていれば出なかった。酸味が強く、ほのかな甘味が出る。ビターチョコ系の苦み、コクも出るがマンデリンにしてはいずれも弱いか。総じてほどほど、といった印象。
2024/12/29焙煎
焙煎:
シティ程度。ただし、豆の開き具合がいま一歩。大きい豆とこの焙煎機の相性がよくないため、中まで火を入れるためには、この焙煎機の一般的な焙煎プロファイルでは難しく、もうひと工夫必要か。
テイスティング:
マンデリン系の暗めのテイストが風味のベースとなっており、その中でも苦みと酸味が強めで、甘み・コクはほのかに感じる程度。通常のマンデリンに比べて性格がおとなしいため、言われなければマンデリンと気付かない人が多そう。

2025/1/11焙煎

焙煎:
ハイロースト。ただし、肉厚対策として時間を掛けて焼いたため、色の割に豆は開いている。温度管理が難しく、もう少し焼き進める予定であった。やはりこの焙煎機だと肉厚豆との相性が悪い。
テイスティング:
ビターチョコ系の苦みがよく出て、かすかな甘味と程々の酸味が出た。焙煎時間の割にコクが出ないのはハイローストのせいか?→1週間程度置いたらコクが出てきた。焙煎が浅めなため、こなれるまで時間が掛かるか?
2025/2/1焙煎
焙煎:
水抜き時間をかなり取りつつ、甘みが出ることを狙った焙煎。2ハゼ開始程度で止めたが、思いの外豆が開いていないのは気がかり。色も2ハゼ開始の割には浅めで皺もややあり。ハイの方がしっくりする焙煎度。
テイスティング:
焙煎時間が長く、香ばしさが強めに出る。ちょっと強すぎか。その割に酸味も強く出る。甘み・コクはあまりなし。現状、ちょっと飲みにくい。肉厚な豆なのでもう少し日を置いてから飲むべきか?

総評
マンデリンはコクと苦みが強いイメージがありますが、。こちらの豆はそういった特徴は弱いと思われました。この辺りは通常のスマトラ式の精製方法と異なる事が影響しているのでしょうか。ただ、ダークチョコ系の雰囲気はこのコーヒーの基本的なベースとなっており、この辺りは多分、普通のマンデリンと似通っているのでは、と思われました。
ただ、自分の使っている焙煎機とこの豆との相性が悪いのか、ポテンシャルを十分に引き出せているかというとちょっと…という感じがしました。肉厚過ぎて中心に火が十分に入っていない気がします。肉厚な豆はタブル焙煎とか試す必要があるのかな…。