ニカラグア SHG キータスウエノス農園

産地について

生産地 ニカラグア共和国 マダガルパ県
農園名 キータスウエノス農園
標高 1,100~1,200m
<販売元HPより>

ニカラグアの産地としては、以下のものが有名です。
・マタガルパ(Matagalpa): ニカラグアの主要なコーヒー産地で、標高が高く、気候がコーヒー栽培に適しています。フルーティーな風味が特徴。
・ジニンダ(Jinotega): 高地での栽培が行われており、甘みと酸味のバランスが取れたコーヒーが生産されています。
・エストリマドール(Estelí): この地域は比較的新しいコーヒー産地ですが、品質の高いアラビカ種が栽培されています。
・ボリバー(Bolívar): 標高が高く、冷涼な気候がコーヒー栽培に適しています。香り豊かで、しっかりとしたボディを持つコーヒーが生産されています。
・セラ・マダ(Cerro Madera): 自然環境が豊かで、オーガニックコーヒーの生産も盛んです。
<chatGPTより引用>

 マタガルバは、ニカラグアのやや北西に位置しています。ニカラグアは北西部の標高が高く、東に向かって低くなっているため、この北西部が良質のコーヒーが栽培される土地と思われます。ただし、それでも一派的に美味しいコーヒーが産出されるとする標高よりは低いかもですが。
 ニカラグア湖とマナグア湖も南及び西にあるため、水資源も豊富にあることが推察されます。前回見たイエメンなどと比較すると、土地的には大分恵まれている印象です。

 政情的には、大統領が強権的な政治を行っていて人権を無視した行為を度々行っており、とても安定しているとは言い難いです。ただし、内戦が無いだけ他のコーヒー産地よりはマシでしょうか。中米の中ではあまり豊かな国では無さそうです。
 また、あまり日本ではコーヒーに関して有名では無いことを示すかの様に、飛び抜けて美味しいコーヒー豆は少ないといわれています。この辺りは他の国と比べて標高がそれ程高くない事が関係している様です。

コーヒー豆について

・等級:SHG(ストリクトリー・ハイグロン)
・品種:カツーラ種、Centroamerikano H1種  ※T5296種とRume Sudan種のハイブリッド種(サビ病に耐性があり、カップレベルも高い品種)
・スクリーンサイズ S19…12%、S18…26%、S17…30%、S16…18%、S15…14%
・Qグレードポイント 82.17点
・精選方法 ウオッシュド
・特徴として、クリーンカップで程よい酸味とマイルドな口当たり、単品でも飲みやすく、ブレンドするにも合わせやすいコーヒーです。
<販売元HPより>

 

 SHGということで一般的には高級に属すると思いますが、標高をもとに区別しているだけなので、それ程信頼性はないでしょうか。
 コーヒー豆についてハンドピックをした所では、ウォッシュドにしてはやや虫食い豆が目立つ感じでした。ただ、他の種類の欠点豆を加えても5%を超えない程度でしたので、許容範囲でしょうか。
 低標高の国の豆ということで、恐らく性格が穏やかなのかなと予想しますが、いい意味で予想を裏切ってくれないかなぁとも思ってます。
 穏やかならばあまり焼くと特徴が薄くなるので、浅めの焙煎の方がいいのかな。

焙煎&テイスティング

2024/10/20サンプル焙煎①

焙煎:

②と比較のため、ミディアム寄りのハイローストとした。

テイスティング:

ナッツ系の香ばしさが味・香り共に際立つ。酸味強く甘みも印象深い。コクは焙煎度もあるが控えめ。

2024/10/20サンプル焙煎②

焙煎:

①と比較のため、フルシティ寄りのシティローストとした。

テイスティング:

苦みが前面に出て酸味は少なめ。甘みとコクはやや弱め。総じて飲みやすさはあるがややインパクトに欠ける。

 2つの焙煎豆を2024/10/26に1回試飲ところでは、浅煎りは味・香り共に明るい雰囲気が強めに出て良い印象が残ります。対して深煎りになると、香ばしさと酸味が消え苦みとコクが出てきます。ただ浅煎りの良さをカバーする程にはコク、甘さが出ないため、浅めの焙煎の方がよい印象です。コロンビアでよく目にする豆の性格をもっと穏やかにした、といった印象の豆な気がします。
 ただし、浅煎りは開封当初の印象が深煎りよりいい事が多いため、日数が経つと深煎りのコクが増してもしかしたら印象が変わるかもしれません。

2024/10/26焙煎

焙煎:

前回の浅煎りと似た味になるように焙煎した。ミディアム寄りのハイ。味のインパクトを強くしたいので、全体的にやや強めの火力とした。

テイスティング:

酸味強めで甘みもある程度確保出来た感じ。香ばしく明るい雰囲気は出ている。コク・苦みは薄めだが、コーヒーとして求められる最低限は出ているか。苦みを強調した抽出は、良い・大した事ないと評価が割れた。

2024/11/9焙煎

焙煎:

前回の焙煎が良かったが、同じだと面白く無いので水抜きを減らして若干長めに焙煎した。本当は火力も前回より変えたかったが、設定ミスで概ね同じになってしまった。

テイスティング:

概ね前回と似た味になったと思う。強いて言えば南米特有のナッツフレーバーが少し強調された代わりに明るさが減った感じか。苦みが少し増えたとも感じられる。

2024/11/23焙煎

焙煎:

やはり煎りが浅いほど長所が出るので、水抜き多め&火力強めにして焼いた。焙煎機掃除したら空気抜けが良すぎて温度が上がらず、想定よりも長時間になってしまった…。焙煎度はハイ寄りのミディアム程度。

テイスティング:

アーモンドフレーバーが一番前面に出てきた。ボディは軽く、苦みはアーモンドの皮の様な感じ。酸味は目立つがそれ程きつくはない。甘みもそれなりに感じる。アーモンドフレーバーのエグ味が出ないように抽出するとバランス良くなる感じ。

2024/11/23焙煎

焙煎:

ミディアムだとアーモンドフレーバーがやや強すぎる感じになるため、ハイとした。水抜き強め&火力強めとし、時間を短めに仕上げた。

テイスティング:

今回は酸味が一番に来てアーモンドフレーバーとなった。酸味は刺さるほどのものではない。苦みは弱め。甘さはあまり出てないか。強火だけあって、全体的にどの味もインパクトが強い。

総評

 あまり高地で取れた豆ではないということで、概ね想定通りの味だった様に思います。酸味は穏やかで、南米で多いナッツフレーバーがして、コクは控えめ。深煎りにすると酸味が消えますが、それを補う程のコクが出ないので、やや平べったい味になりがち、など。

 ニカラグアのコーヒーで検索すると出てくる特徴に概ね当てはまる豆であったと思います。コクが苦手で全体的に強い味が好きでない方にお勧め出来ますでしょうか。

 ただ、味の傾向としてコロンビアに近い気がしますので、自分の好みとしてはこの味でしたらコロンビアの一般的な豆でいいかな、という気がしました。また、シルバースキンが豆の中に多くに含まれており、煎りを進めないとこれをあまり除去出来ないため、抽出の際に丁寧に除いてあげないと渋みが抜けない、というのもマイナスポイントです。
 という事で、こちらの豆の販売はいたしません。